Happy WAKASA Times
メノコトトーク_中嶋象嵌 中嶋 龍司さん
1㎜以下の加減が 唯一無二の作品を作る
細緻な模様を描けるのは健康なひとみがあってこそ

▲布目切りは、1mmの中に7〜8本の溝を彫るとても細かい作業です
中嶋象嵌 中嶋 龍司さん(40代)
「象嵌」は、その字の通り「象ったものを嵌める」伝統工芸です。「京象嵌」は「布目象嵌」とも呼ばれ、「布目切り」といって、地金の表面に専用のタガネで微細な溝を入れます。これを丁寧にしないと金・銀を打ち込んでもはがれやすくなるんです。溝(布目)に金・銀を打ち込んで模様を描く工程を、「入嵌」といいます。ここは一番集中力が必要で、顔をモノに近づけて作業をするので、特にひとみを酷使します。さらに、漆を塗って焼き、模様を研き出し、彫りを入れて仕上げをし...と、最後まで細かい作業の連続です。だから、毎朝散歩をし、緑を見てひとみを休めるのが日課です。朝食後には『ブルーベリーアイ』も飲んでいますよ。最近は「京象嵌」に関心を寄せてくれる外国人観光客も増えましたが、日本の方々にももっと親しんでもらえるよう、これからも作品作りに励みたいです。
