わかさのOshi-log(おしログ)
やさしく学ぶ夏の熱中症対策マニュアル

いよいよ蒸し暑い季節がやってきました。猛暑日が増え、毎年のように耳にする「熱中症」。
最近では、室内で熱中症になる人が増えていて、不安を感じる方も多いと思います。
でも、正しい知識とちょっとした工夫があれば、熱中症のリスクはぐんと下げられます。暑い夏を元気に乗り切るために、ぜひ一緒に学んでいきましょう!
熱中症について知ろう
熱中症が起こるのは、暑い日の屋外だけではありません。湿度が高い屋内や寝不足の日など、意外な要因でも熱中症のリスクは高まります。対策するためにも、熱中症について知ることが大切です。

熱中症が起こるしくみ
暑い日や湿度の高い日は、体にこもった熱が外に逃げにくくなります。私たちの体は、汗をかいたりして体温を調節していますが、あまりにも暑かったり湿度が高かったりすると、そのしくみがうまく働かなくなります。
たくさん汗をかくことで、水分や塩分も失われ、だんだん体に熱がたまっていく...。この状態が「熱中症」なんです。
熱中症のリスクが高まるとき
熱中症は「気温が高い」ことだけが要因では、ありません。
たとえば寝不足や体調不良、朝食抜きも、熱中症を引き起こすきっかけになります。以下のような要因が重なると、さらに注意が必要です。 特にに高齢の方は熱中症になりやすく、2024年の夏(5~9月)には、救急搬送された人の半分以上が65歳以上というデータ※もあります。「気温や湿度だけ」ではなく、個人の体調やその日の行動も熱中症の要因になることを覚えておきましょう。
※令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況|総務省消防庁
要因 | 具体例 |
---|---|
環境 | 気温28 ℃超+湿度70%超、風が無い、日差しが強い、急激な気温の上昇 |
体の状態 | 高齢者・乳幼児、持病、病気による脱水、寝不足、二日酔い |
行動 | 長時間の屋外活動、激しい運動、水分補給がしにくい状況、朝食抜き、マスク着用 |
熱中症のサインを見逃さないために

熱中症のこわいところは、「気づきにくい」こと。ショッピングやスポーツ観戦など、楽しく過ごしていると「ちょっとめまいがするだけ」「少し気持ち悪いだけ」と軽く見てしまいがちですが、放っておくと重症化することも...。以下のようなサインに気づいたら、すぐに涼しい場所で休んで水分をとりましょう。早めに気づけば、ほとんどの場合は自宅での対処で回復できます。日ごろから、自分や周りの体調変化に気を配ることが大切ですね。
程度 | 具体例 |
---|---|
軽症(Ⅰ度) | 立ちくらみ/筋肉のけいれん/汗が止まらない/手足のしびれ |
中等症(Ⅱ度) | 頭痛/吐き気/体のだるさ/集中できない |
重症(Ⅲ度) | 意識がぼんやり/返事がおかしい/汗が出なくなる/けいれんなど |
毎日の暮らしでできる熱中症対策
室温・湿度を「数字」でチェック
暑いとき、「ちょっと我慢すれば大丈夫!」と思っていませんか?でも実は、室温が28℃、湿度が70%を超えると熱中症のリスクはグッと高まります。「体感」ではなく、「温湿度計」や「天気アプリ」などを使って、環境を"見える化"しましょう。節電も大切ですが、体調を崩してしまっては元も子もありません。風量を「自動」にすると電気代が抑えられる※という実験データもありますよ!
水分+塩分でバランスよく補給

汗をかくと水分だけでなく、塩分も失われます。水分補給の目安量は、1日あたり1.2リットル。「のどが渇いた時にはもう遅い!」を合言葉に、こまめに水分補給を。
また熱中症の予兆を感じたり、たくさん汗をかいたりしたときには、水分と塩分に加えて糖分も一緒に補給するのがポイントです。糖分を加えることで、水分と塩分が腸から吸収されやすくなります。スポーツドリンクや塩入りタブレット、経口補水液などを上手に活用しましょう。
経口補水液は塩分が多いため、日常的に飲むと逆効果。軽い熱中症のサインが出たときに飲むのがベストです。
日常生活を少しずつ工夫しよう

暑い夏は、いつも通りの行動が意外と危険なことも。ちょっとした工夫でリスクを回避しましょう。 たとえば...
・外出や家事:昼間を避けて、朝か夕方に。
・食事:朝食抜きはNG!最低限の水分と塩分は必ず。
・飲み物:コーヒー・紅茶は控えめにして、水をこまめに。
・睡眠:睡眠不足も熱中症の原因。エアコンや寝具で快適な睡眠環境を整えましょう。
少しずつ生活を見直すことが、いちばんの予防になります。
熱中症から身を守る"夏の新習慣"を

猛暑は避けられません。でも、しっかり準備していれば、怖がる必要はないのです。ポイントをしっかり押さえて、対策をすれば大丈夫。この夏も、健やかに、そして安全に乗り切っていきましょう!