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注目を浴びる「再生医療」とは?

研究している女性の写真
近頃よく耳にする「再生医療」という言葉。
聞いたことはあるけど意味は何かよくわからないまま...なんてことありますよね。
実は今、その「再生医療」によって健康寿命が延びることや、毛髪の再生、アンチエイジングの効果などが期待されているんです。

今回は、注目を浴びる「再生医療」とは何か、お伝えしていきます。


●再生医療とは?
トカゲのしっぽが切り離されてもまた元どおりになることは皆さんご存じかと思いますが、これは、トカゲの持つ自己再生機能が働くことによって元どおりになるそうです。

トカゲほどではありませんが、人間も病気やケガなどを負った場合、回復させる再生力をもっています。
こういった人間が本来持っている再生力を用いて、病気やケガを回復させるのが「再生医療」なのです。

つまり再生医療とは、病気やケガなど様々な理由によって失われた機能をその人が元々持っている細胞を活用し、機能の再生を試みる新しい医療のことです。


●幹細胞・体細胞について
私たちの体には約60兆個の細胞でできており、その細胞は1個の受精卵から始まります。受精卵が細胞分裂(増殖)を繰り返すことによって皮膚や網膜などの組織や臓器などがつくられます。このように、細胞が様々な組織や臓器に変化していくことを「分化」といい、
皮膚や血液のように組織や臓器となった細胞は「体細胞」、これからいろいろな組織や臓器になれる未分化な細胞は「幹細胞」と呼ばれます。

現在はこの「幹細胞」や「体細胞」をケガや病気で損傷した部分に移植し、組織の再生を促すことで、根本治療を目指す再生医療が行われています。


●ES細胞とiPS細胞
これまで説明した再生医療のキーとなるのが、「ES細胞」と「iPS細胞」です。
「ES細胞(embryonic stem cells:胚性幹細胞)」は、細胞の増殖・分化によってどんな細胞にもなれますが、受精卵が胎児になる途中に分裂は始まった胚の中から細胞を取り出して培養する、という倫理的な問題を抱えています。 この問題をクリアしたのが「iPS細胞」なのです。

iPS細胞(induced pluripotent stem cells:人工多能性幹細胞)は、ES細胞と同じくどんな細胞でもなれる機能を持っています。しかしES細胞と異なり、皮膚の細胞などから体細胞を採取し、いくつかの遺伝子を加えるだけで、人工的に未分化した状態に戻らせた幹細胞がiPS細胞です。

「iPS細胞」は山中教授(京都大学医学部)が、2006年に世界で初めて作製を成功させました。2014年には網膜を中心に障害がおこる「加齢黄斑変性」の患者を対象に移植手術が行われるなど、「iPS細胞」への実用化の期待がますます高まっています。

今回紹介した再生医療の進歩はめざましく、ヒトでの臨床研究や治験も年々進んでいて
今後は再生可能な組織や臓器の範囲が広がっていくことが予想されています。

安全性を検証するためにはこれからであり、いつ普及するかもまだわからないのが現状ですが、これらの再生医療が医療現場に提供されるようになると、今では根治不可能といわれている病気やケガでも、根治できる未来がくるかもしれないですね。

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