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5人に1人はドライアイ!?冬の冷えと乾燥に要注意

片目を押さえる女性

冷えとともに乾燥が進む本格的な冬の到来。
この時期の悩みのひとつといえば、「ドライアイ」。 ドライアイを訴える人は、日本では2200万人※。5人に1人いるという報告も...。冬場は、さらにリスクが高まるので注意が必要です。
放置することなく、しっかり対策しましょう。

※参考:ドライアイ研究会HP


簡単!10秒ドライアイチェック


10秒チェックする女性

10秒、自然に目を開けていられますか?
簡単にドライアイの傾向があるかを調べる方法のひとつです。
目を見開いて、まばたきを我慢するのではなく、普段の状態で確認してくださいね。
途中でまばたきしてしまった場合は、ドライアイ予備軍です。
5秒以内にまばたきをしてしまったなら、ドライアイの可能性が高いので眼科での診察を受けましょう。


目が乾くだけではないドライアイ


疲れている女性

ドライアイは、涙の分泌量の減少や質の低下により、目の不快感や見えにくさ、疲労などの症状が現れます。
「目が乾くこと」だけが症状だと思われがちですがそうではありません!
異物感や痛みなどの刺激、見えにくさや充血など、さまざまな症状が現れます。
なかでも最も多く報告されているのが「目の疲れ」です。

ドライアイの症状

ドライアイが進むと、視力の低下を招いたり、目が細菌やウイルスに感染しやすくなったりします。睡眠障害や気分障害など、併発症状が現れることも......。
目に違和感がある場合には、放置せず眼科で診察を受けましょう。


自覚症状のないドライアイも


目の表面(角膜)には、知覚神経が張り巡らされているので、全身の中でも最も敏感な組織。わずかなホコリが目に 入っただけでも痛みを感じ、まばたきをしたり、涙を流したりして、目を守ろうとします。
ところが、目の疲れや痛みが日常的にあるのに、ドライアイに気づかず悪化させてしまう人が多いのが現状です。
特に糖尿病の人は知覚神経が鈍くなることで、目の症状を自覚しにくいことが指摘されています。


涙の役割


目の表面は常に涙に覆われています。涙の量はわずか7μ㎖(マイクロミリリットル)。目薬1滴の7分の1ほどしかありません。
この涙が乾燥から目を守り、目に酸素や栄養素を与えます。さらに、まばたきによる摩擦を防いで、目に入ったゴミを洗い流してくれます。
涙で表面が滑らかになることでモノを見ることができ、涙に含まれる成分によって感染を予防することができるのです。

涙の構造

<油層の働き>
水分の蒸発を防ぎ、まばたきによる摩擦から目を守る
油分は、まぶたの裏にあるマイボーム腺から分泌される
<液層の働き>
ムチン層:目の表面に涙をくっつけて安定化させる糊のような働きをする
水層:目を潤し、乾燥や感染などから守る。目を健康に保つためのさまざまな栄養成分が含まれている

涙(涙液)は、99%の水分(液層)でできています。また、液層には角膜と水分をくっつけて安定化させるムチンが含まれます。
この構造を保てなくなって、涙の質や量が低下するとドライアイが起こるのです。


ドライアイの3つのタイプ


ドライアイ3つのタイプ円グラフ

ドライアイは、涙の状態によって次の3つのタイプに分けられます。

①水分が不足するタイプ
女性や、長年コンタクトレンズをしている人に比較的多くみられます。リウマチ関連の持病(シェーグレン症候群など)を併発している人も1割程度います。
このタイプは、点眼によって症状の改善ができます。

②油分が不足するタイプ
統計的には男性が多いといわれています。揚げ物などの脂っこい食べ物が好きな人に多く、メタボリックシンドロームや脂質異常症の人、脂性肌の人もこのタイプの傾向があります。
女性の場合には、アイメイクによるマイボーム腺の詰まりが原因となっていることも。

③水分と油分が両方不足
油分が不足すると、まばたきの際に炎症が生じ水分も不足します。そのため、油分不足でこのタイプに移行することがあるのです。
このタイプは加齢も影響します。
更年期に入ると女性ホルモンのバランスが崩れますが、女性ホルモンは涙液に、男性ホルモンはマイボーム腺に関連していることから、水分と油分の両方に影響するのです。

これまでドライアイに悩む人の多くは、「ドライアイは水分不足」だから「水分補給が一番大事」と認識していました。しかし、最近の研究では「涙の蒸発を防ぐ油分の不足」がドライアイ全体の約86%を占めることがわかっています。

水分不足・油分不足の見分け方

それぞれの特徴があるので、ご自身がどちらのタイプかの参考にしてください。

水分が足りないタイプ
・夕方から症状がひどくなる。
・目薬の使用で目が潤い、症状が改善される。

油分が足りないタイプ
・朝起きたときに症状がひどい
・目薬を何度点しても、なかなか症状が改善されない。


そのドライアイの原因はまぶたの便秘が原因かも!?


マイボーム腺の役割

涙の油分が足りないタイプのドライアイは、マイボーム腺と呼ばれる、脂質を分泌する器官のつまりが原因で起こります。
マイボーム腺は上まぶたの裏側に25~30本、下まぶたの裏側に20~25本ほどあります。本来、まばたきをするたびにまつ毛の生え際にある出口(開口部)から油分が分泌され、目の表面にバリアを作って、涙の蒸発を防ぐ役割を果たします。

マイボーム腺

しかし、開口部が何らかの原因で詰まると、油分が出なくなり、便秘のような状態になります。油分は硬くなって透明から白色に変化し、詰まりのサインとして現れます。

マイボーム腺が詰まる要因

浅いまばたきがドライアイのリスクを高めている?


人は1日に約1万5,000回まばたきをしています。涙はまばたきによって分泌され、まぶた全体にいきわたります。しかし、上まぶたをしっかり閉じることができず、浅いまばたきになってしまう人が増えています。

特に原因となっているのが、スマホやパソコンの長時間使用。集中して画面を見続けると、まばたきの回数が通常時の約1/4まで激減し、まばたきをする筋肉が衰えてしまいます。
浅いまばたきは、マイボーム腺からの油分の分泌を低下させ、涙が蒸発しやすくなるのです。


マイボーム腺の詰まりの予防・改善のための3つのケア


日常的にケアすることで、予防や目の症状の緩和を図りましょう。

1.まぶたを温める

タオルやアイマスクを使って温め、血流を改善しマイボーム腺の油分をとかしましょう。
目安は38℃で5分間。

2.まぶたを清潔に保つ

指のはらで詰まった油の排出をうながし、まぶた周囲の雑菌を減らしましょう。
まぶたの洗い方 [ポイント]
・指のはらで強く押しすぎないよう優しく、くるくるとまぶたの上をすべらし横に流します。
・38℃程度のぬるま湯で目もとを洗いましょう。
専用の洗浄剤を使うと、目もとへの負担なく、浸みることもなく、スッキリと汚れを落とすことができます。
目もとはとてもデリケートです。くれぐれも強く押したり、こすらないように注意してください。

3.まばたきトレーニング

1時間に1回やトイレにいくタイミングに行いましょう。
[方法]
①2秒間目を閉じる
②軽くまばたき2回
③優しくギューッと2秒間目を閉じる
④パッと目を開いたあと目を細めて「まぶしい目」をする
⑤指で目じりと眉毛の間をあげて「キツネ目」をして閉じようとする

キツネ目

ドライアイの症状が長引く場合には、放置せず必ず眼科を受診するようにしてくださいね。

~こちらの記事は、健康マガジン『若々』2023年12月号「ドライアイのエキスパート有田先生に聞く!エビデンスに基づくドライアイ改善法」を再編集したものです~

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