ブルーベリーの育て方Q&A ブルーベリーの栽培時の「こんなときどうすればいい?」にお答えします。

Q
  • ベランダでも育てられますか?
A
  • できます。ブルーベリーは容器(鉢)栽培できるのが特徴の一つです。ベランダで鉢植えを楽しんでいる人は大勢います。しかし、超高層ビルではハチが飛んで来る確率が少なく、受粉に問題がありそうです。7階ぐらいまでならハチが飛来し、受粉に問題はないようです。
Q
  • 苗はどこで売っていますか?
A
  • 専門の苗木業者、園芸店やホームセンター、通信販売などで主に秋と春に購入できます。苗木は、品種名がはっきりとしたものを買い求めましょう。
Q
  • どんな品種がいいですか?
A
  • まず、気象条件にあわせて、栽培できるブルーベリーのタイプを選びます。つぎに品種を選びます。
    寒冷地か温暖地かにより、大きく2つに分けられます。関東以北または本州中部の高冷地であれば、ノーザンハイブッシュが適しています。関東の平地から南の地方であれば、サザンハイブッシュおよびラビットアイを栽培できます。
<各品種ごとの特長は以下のとおりです>
○成熟期が極早生:ウェイマウス
○果実が大きい:スパルタン、チャンドラー
○風味がよい
・ノーザンハイブッシュ:サンライズ、コリンス、エチョータ、レガシー、ハーバート
・サザンハイブッシュ:スター、オニール、クーパー、ブルーリッジ、サミット、マグノリア
・ハーフハイハイブッシュ:ポラリス、ノースブルー、チッペワ
・ラビットアイ:ティフブルー、クライマックス、アリスブルー、ベッキーブルー、バルドウィン、デライト
Q
  • 何年目から果実がなりますか?
A
  • ブルーベリーの繁殖は、挿し木や接ぎ木によりますから、1年生苗でも果実はなります。
    しかし、樹の成長を促進するため、植えつけ1年目はすべての花芽を除去します。2年目には丈夫な枝(長さが20cm以上の枝)にのみならせます。3年目には、1樹に300gくらいならせます。木の成長を優先させるために3年くらいは実を付けさせないほうが良いでしょう。
Q
  • 植え替えの時期は?
A
  • 植え替えの適期は春と秋、または休眠期間中です。しかし、植え替えの時期を逃し、あるいは、苗木を買い求めた時期が遅かった場合には、梅雨の時期に行うとよいでしょう。植え替え後は、毎日、水をやります。
Q
  • 肥料はいつ、どのくらいやったらいいですか?
A
  • 肥料をやる時期は、有機肥料なら、1~2月、4~5月、9~10月、化成肥料は、3~4月、5~6月、9~10月にやります。分量は肥料によって異なっていますので、詳細は肥料の説明書にしたがってください。
Q
  • 枯れさせないために気を付けることは?
A
  • 以下のポイントに注意してください。
●土壌の乾燥
水やりの間隔日数が長かったり、量が少なかったりすると土が乾いて枯れてしまいます。成長期(4~11月)には、毎日、水をやりましょう。
●日当たり
全く直射日光が当たらない場所だと、枯れてしまう場合があります。日当たりの良い所に植えつけ、雑草は生やさないようにしましょう。
●用土
樹は乾燥に弱い反面、通気性と通水性が良い土でなければ生育が劣り、やがて枯死します。通水が不良な土では土壌の酸素が不足し、根の呼吸が不良になるからです。通水が不良な土では、20㎝以上の高畝にして植えつけます。
Q
  • 実がならない場合はどうしたら良い?
A
  • 実がならない主な原因は、以下の場合が考えられます。
●苗木を買った年には実がなった
買う前に別の品種の花粉によって受粉されていたことが考えられます。また、翌年、実がならない場合は、別品種の花粉が受粉されていないためでしょう。異なる2品種での栽培がおすすめです。
●花は咲くが、実はならない
1品種で受粉が不完全であったか、別品種があっても訪花昆虫(ハチ)の飛来が良くなかった場合が考えられます。また、生育状態が悪く、実がなるまでに至らないこともありますので、日頃からの注意も必要です。
Q
  • 樹が大きくならない場合はどうしたら良い?
A
  • 鉢植えと庭植え、それぞれに合った方法をご紹介します。
●鉢植えの場合
鉢植えでは根域が狭いため、1年間育てると根鉢がつくられ、根詰まり状態になります。
そうすると、根が乾燥しやすく、成長が劣ります。このような樹は、根詰まりをほぐし、新しい用土を用いて植え替えます。できれば、一回り大きい鉢に植え替えて、その後は毎日水をやり、定期的に置き肥をします。
●庭植えの場合
一般的に、土が固くて通気性・通水性が不良であり、土壌pHが高く、土が乾燥している場合が多いようです。ブルーベリー樹の生育には、砂質がかって通気性・通水性が良く、強酸性の土が適しています。また、土の表面には乾燥を防ぐため、有機物マルチをします。
樹勢を回復するためには、深耕法がおすすめです。株元から50cmくらい離れた所に、幅30cm、長さ70cm、深さが50cmくらいの穴を掘ります。その穴に、腐葉土やピートモスなどの土壌改良材を30Lずつ混合して埋め戻します。1年に1面ずつ深耕し、つぎの年には反対側の面を深耕します。
※マルチは「根を覆う」という意味。作物の生育中に、根を守るために有機物を表面施用し土を覆うことを指します。
Q
  • 害虫はつきますか?
A
  • つきます。虫が加害するのは自然の食物連鎖ですが、それでも虫を見るとビックリします。水やり、除草をする際に注意して探し、被害部ごと除去して捕殺します。
    庭植え樹に加害している害虫を観察してみました。以下に害虫名を挙げておきますが、図鑑に照らし合わせたもので研究的な同定結果ではありません。
<枝につく害虫>
・カイガラムシ
・カミキリムシ…地際近くの幹に穴を空け、周囲にオガグズ状の糞が出ているのが特徴。
<葉につく害虫>
・ケムシ類、シャクトリムシ、ミノムシ、ハマキムシ、オビカレハ、イラガの幼虫など。
・マメコガネ…成虫は葉を食害。幼虫は根を食害します。
・カメムシ…幼虫は葉を食害。成虫は果汁を吸い、果肉をすかすかにしてしまいます。
<果実につく害虫>
・アシナガバチ…益虫ではありますが、巣をつくり収穫時に刺される危険があるため、見つけしだい巣を撤去しましょう。
・オウトウショウジョウバエ…成熟果に卵を産み、収穫後に幼虫が出て来たりします。ハエの成虫は過熟果に好んで寄ってきますから、過熟果を樹に残しておいたり、地面に果実が落ちていないようにしておきます。
<益虫>
カマキリ、テントウムシ、クモなどは益虫です。
TOP