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【連載・第1話】孤独死にビビった女が婚活3ヶ月で神旦那をつかむまで
登場人物紹介
- ササヤマさん(語り手) : 関西在住の 30 代。29 歳の冬、ある「大事件」をきっかけに結婚相談所へ電撃入会。活動期間わずか 3 ヶ月で現在の夫を射止め、超スピード成婚退会を果たした伝説の持ち主。現在は、当時と変わらず超優しい夫(A さん)と、やんちゃ盛りの愛しい娘と 3 人で、賑やかで幸せな毎日を送っている。
年末の一人暮らしを襲った、インフルエンザと「孤独死シミュレーション」
あれは忘れもしない、29歳の年末のこと。
それまでの私は、婚活を完全に高みの見物をしていました。
友達から聞く「デートにクロックスで現れた男」や「肩幅が狭すぎて呼吸が苦しそうな男」など、他人の婚活トンデモ話をビール片手に笑い飛ばすだけの余裕な傍観者だったのです。
自分自身は合コンに行っても「最後に見下ろす感じになっちゃったな......」と思う程度で、恋愛や結婚に対しては「1人でも全然楽しいし、家でゴゴしているのが一番楽ちん!」と、完全に余裕をぶっこいていました。
しかし、そんな私を「年末の悪夢」が襲います。
実家に帰省する直前、39度を超える急激な悪寒と高熱。診断は、まさかの「インフルエンザ」でした。
当然、帰省はキャンセル。誰もいない、静まり返ったワンルームで、私は1人隔離状態になりました。
高熱で朦朧とする中、這うようにして近くの救急外来へと向かったのですが、そこは年末の緊急病院。周りを見渡せば、お互いを支え合う夫婦など温かい「家族連れ」ばかりでした。
そんな温かい空気の中、1人でポツンと座っているのは、私と、もう1人だけ......。
それは、哀愁漂うおじちゃんでした。
おじちゃんは片手に缶コーヒーを握りしめ、私は朦朧とする意識の中で、静かにお互いを見つめ合いました。
周りの温かい家族の声が遠くで聞こえる中、そのおじちゃんと私の間だけに流れる、言葉なきシンパシー。
(あ、私、このまま1人で生きていったら......いつかあのおじちゃんみたいに、誰にも看取られずにあのワンルームで孤独死するんやな......)
体温が39度を超える中、脳内でリアルすぎる「孤独死シミュレーション」がスタートしてしまったのです。しんどさと共に押し寄せる「底知れない寂しさ」。
1月末頃まで療養を続けながら、私の心の中では「誰か帰る場所、一緒にいてくれる人がほしい」という思いが、これまでにないほど強烈に膨らんでいきました。
「よし、婚活しよう!」
熱が下がった私の行動は、自分でも驚くほどスピーディーでした。
誤算から始まった奇跡!「おしゃれな街コン」だと思ったらガチの結婚相談所だった
「とにかくすぐに出会える場所に行こう!」
そう決意した私は、スマホで婚活イベントを検索。 友達の「フリータイムがある婚活パーティーは地獄」という忠告から、「仕切りがあって順番にローテーションして喋るだけのシンプルなやつ」にターゲットを絞りました。
「お、会社のすぐ近くでちょうどいいのがあるやん。おしゃれなカフェでの街コンかな?」
そう思い込んで予約したものの、当日会場に行ってみて呪いました。
(え......なんか、ゴリゴリのオフィスビルやし、看板に『〇〇結婚相談所』って書いてない!?)
そう、私が申し込んだのは、ガチな結婚相談所が主催する本気の婚活イベントだったのです!
「あ、もう逃げられへん......」と諦めて会場に入ると、仕切りのついたブースに案内されました。 男性参加者たちは、正直「女性はみんな気合を入れているのに、男性側はなんか適当でヨレヨレな人が多いな......」という、友達の言っていた通りの光景。
私のブースに来た人も、「私、〇〇から来たんです〜!」と話しかけても、「あ......そうですか, 難しいですね......」と終始タートルネックをいじりながらフリーズしているシャイすぎる男性などで、会話が全く盛り上がらないまま終了しました。
(普通のいい男の人は、こんなところに来る前にとっくに結婚してるよね......)
そう痛感し、早く帰りたい一心でアンケート用紙を埋めていました。
しかし、そのアンケートの最後の一行が運命を変えます。
『結婚相談所での本格的な婚活に興味はありますか?』
婚活アプリはサクラや既婚者がいそうで怖いし、会うまでのメッセージのやり取りも面倒くさい。 でも相談所なら、さっさと身元が保証された人と会えるのでは......?
「まあ、ちょっと興味あるかな」
軽い気持ちで丸をつけた瞬間、奥の部屋から「仕事ができそうな綺麗な美魔女店長」と「関西ノリで話しやすい清水さん」という2人のカウンセラーが、獲物を見つけたプロの目で現れたのです。
「今しか押せない!」美魔女お姉さんたちのトークと、衝撃のサンプルプロフィール
「ササヤマさん! 興味持ってくれてありがとう! 本当に、結婚するなら絶対に早いほうがいいわよ!」
現れた店長お姉さんは、グイグイくるかと思いきや、不思議と嫌な感じが一切ない、絶妙な引き際を知っているプロフェッショナルでした。
「うちの相談所は身元がしっかりした独身の方しかいないから安心だし、何よりこれを見て!」
そう言って差し出されたのは、実際に登録されている男性の「サンプルプロフィール」でした。 年収や家族構成、「結婚したら共働きを希望するか」といった聞きづらい条件が事細かに印刷されています。
「ほら、こういう爽やかな大手企業の方とか、選び放題よ!」
実はそのサンプルの束の中に、のちに私の生涯の伴侶となる「現在の旦那さん(Aさん)」のプロフィールが、偶然にも紛れ込んでいたのです。
彼は当時、かなりの田舎に住んでいて、登録だけして放置していた状態でした。
「さらに! 今なら1月限定のキャンペーン中で、初期費用がめちゃくちゃお得になるの!」
提示された金額は、システム料などを含めて約20万円。 安くはないけれど、このまま不毛な合コンに時間を費やすくらいなら、3ヶ月〜半年と期間を決めて相談所で短期決戦したほうが圧倒的にタイパがいいのでは?
「やります。ここで人生決めます!」
インフルエンザの恐怖がまだ冷めやらぬ私は、お姉さんたちのハッピーなオーラに背中を押され、その場で入会を即決。カードを切ったのでした。
独身証明書は丸投げ!そしてスタジオに響く「ケツプリ!おっぱい盛って!」の洗礼
「入会を決めてからの結婚相談所の「手厚さ」は、想像を絶するものでした。
通常、結婚相談所に入るには「独身証明書」や「大学の卒業証明書」など、面倒な書類が山ほどあります。仕事が忙しい平日にそんなところへ行くのは至難の業。
ところが、この相談所は「面倒な書類の取得、うちが全部代わりにやってあげるから、ササヤマさんはサインするだけでいいよ!」と、まさかの丸投げOKだったのです。
「なにこれ、女子としてはめちゃめちゃ楽やん......!」
タイパ重視の私は、この時点で相談所のホスピタリティに大感動していました。
しかし、次に待っていたのは、婚活の最重要関門である「プロフィール写真の撮影」でした。
「服装は明るい色のワンピースがいいわね!」というお姉さんのアドバイスに従ってドレッシーなワンピースを新調し、提携の写真スタジオへと向かいました。
ヘアメイクをバチバチに施され、いざカメラの前に立つと、プロのカメラマンからの怒涛のポージング指示が始まりました。
「はい、ササヤマさん!もっとカメラに体を斜めに向けて!」
「そう! そこからお尻を後ろに突き出して! はい、ケツプリ! ケツプリ!」
(ケツプリ......!? これ、結婚相談所の写真ですよね......!?)と心の中で絶叫する私を置き去りに、指示はさらにヒートアップします。
「いいよいいよ〜! 胸のラインが綺麗に見えるように、はい、おっぱい盛って! もっと盛れるから!」
言われるがままにケツを突き出し、胸を張り、カメラに向かって引きつった笑顔を向ける私。
数日後、出来上がったデータを相談所のお姉さんたちと一緒に確認したとき、思わず爆笑してしまいました。
「ほら見て! すっごい綺麗に撮れてる! おっぱいもめっちゃ盛れてるわ〜!」
「これ、本当に私ですか!?(笑)」
こうして、書類の準備もバッチリ、奇跡の「ケツプリおっぱい盛り写真」も完成し、私の怒涛の3ヶ月婚活ロードの幕が開いたのです。
しかし、この時の私はまだ知る由もありませんでした。
この先に、ツッコミが全く追いつかない「クセ強メンズ」たちとの、爆笑のお見合いバトルが待ち受けていることを......。
(第2話へ続く)
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